Dharma Budaya

ジャワ・ガムランとは-- 楽器概説・紹介

目次

楽器概説

<ジャワガムラン楽器図>

中部ジャワのガムランは青銅製の打楽器を中心とする大アンサンブルです。

楽器は音楽の中で果たす役割の上から大きく3つに分けられます。

1つは骨格となる旋律(バルンガン)を演奏する楽器群で、アタック音のはっきりしたサロン類と柔らかく 長い持続音を持つスレントゥムがそれにあたります。

2つめは骨格となる旋律(バルンガン)をさまざまに装飾する楽器群で、胡弓の ルバブ、小型平置型こぶ付きゴングのボナン、共鳴筒を持つグンデル、木琴のガンバン 、琴のシトゥル、竹笛のスリンなどの種々があり、独自の音色と複雑な旋律パターンで 、ガムラン音楽のエッセンスを紡ぎ出します。男女による歌も装飾のひとつになります。

3つめは骨格となる旋律(バルンガン)の節目を示す楽器群で、平置き型のこぶ付きゴングのクノン、ク トゥッ、クムピャン、吊り下げ型こぶ付きゴングのクムプルと大ゴングの、 それぞれの音の高さとうなりが全体に響きわたって楽曲の構造を形作ります。また太鼓の クンダンは曲のテンポの変化を司り、一種の指揮者の役割を果たします。

楽器紹介


◆バルンガンを演奏する楽器群

サロン(Saron)
サロンは共鳴箱の上にかまぼこ型の鍵盤の並んだ楽器。大中小があります。硬い、しっかりした音。
スレントゥム(Slentem)
薄い鍵盤の楽器で、鍵盤ごとに共鳴筒を持つ。余韻の長い柔らかい音を出します。

◆バルンガンの節目を示す楽器群

クノン(Kenong)
平置き型のこぶ付きゴング。底の無い木枠に対角線上に張られた紐の上に乗っています。10個あってそれぞれガムラン音階の音に調律されており、よく透る音でガムラン曲の大切な節目を知らせます。
クトゥ/クンピャン(Ketut/Kempyang)
平置き型のこぶ付きゴング。クトゥはトゥッ、トゥッという少しこもった、クンピャンはピャーンという甲高い音色を持ち、曲の小さな節目を知らせます。
クンプル(Kempul)
吊り下げ型こぶ付きゴング。10個あってそれぞれガムラン音階の音に調律されており、低音でガムラン曲の大切な節目を知らせます。
ゴン・アグン(Gong Ageng)
吊り下げ型こぶ付きゴング。ガムラン曲の最も大きく大切な節目を知らせます。ガムラン楽器の中で最も大きく、一番大切な楽器で、聖性を宿すとされ、花や香などが供えられます。

◆バルンガンを装飾する楽器群

ルバブ(Rebab)
胡弓型弦楽器。ガムラン曲の曲想を唱うように奏で、音楽を導きます。音楽的に非常に重要な役割を果たしている楽器。
ボナン(Bonang)
小型の平置き型こぶ付ゴングが10個ないし14個、木枠に渡された2本の紐の上 に乗っています。音高の異なる大・小の2種類があります。ガムランの骨格となる旋律 をリードして示したり、独自の装飾的旋律で曲を飾ります。
グンデル(Gender)
スレントゥムと同じ構造の薄い鍵盤の楽器で、鍵盤ごとに共鳴筒を持ち、2オクターブの音域を持ちます。スレントゥムより鍵盤が小さい。両手のバチでの打音と手や指による消音を平行して行い、柔らかで美しい旋律で曲を飾ります。音高の異 なる大・小の2種類があります。
ガンバン(Gambang)
舟形の共鳴箱を持つ木琴。軽やかな音色で、オクターブのユニゾンの細かく速い装飾的旋律で曲を飾ります。
シトゥル(Siter)
琴型弦楽器。金属弦を両手で挟むように構え、両手の親指の爪で奏します。華やかな装飾的旋律で曲を飾ります。
スリン(Suling)
竹製縦笛。節で切り、節の下に穴をあけ、籐の輪をはめて吹き口とします。自由リズムの装飾的旋律が、曲に明るい味わいを加えます。

◆曲のテンポを導く楽器

クンダン(Kendhang)
両面太鼓。バチを用いず両手で奏します。大・中・小の3種類が主に用いられます。
チブロン(Ciblon)
中型のクンダン。左右の手から生まれる10数種類以上の多彩な音色を組み合わせた複雑なリズムを奏します。リズム型は楽曲の構造や舞踊の型と密接に結びついていて、ガムラン合奏や舞踊を華やかに演出します。

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